2014年02月28日

自分を出さないことです

posted by JIEL STAFF at 18:51 | Comment(0) | TrackBack(0) | 林 芳孝

 2月に入って中ごろのこと。週末だったと思いますが、テレビをつけました。

 「和風総本家」。昼の放映だったので、再放送だと思います。その回の特集は、日本の職人さん、なかでも修復再生をする職人さんの特集でした。

 長野に住むご夫婦が、子どものためにおばあちゃんから譲り受けた雛人形を飾ろうとしたのですが、ものが古いせいでお内裏雛の顔がはがれています。そこで修復を依頼します。

 依頼先は、京都の職人さん。「治せないものはありません」。修復歴数十年の腕前です。まずははがれかかっている顔の部分をていねいにはがします。その後、顔料なのか染料なのかわかりませんが、白い液体を塗っては乾かし、塗っては乾かしして、重ね塗りをしていきます。そして、顔を描きます。筆を入れ、眉、目、口が出来上がります。

 「気をつけていることはありますか」の問いに、職人さんが答えます。

 「自分を出さないことです」

 職人さんの仕事は修復することであり、そこに自分を出すと自分の思いや美意識、価値観などが出て、「こうしたらもっと素晴らしいものになる」とか「前よりもいいものになる」というようなことが起こるのでしょう。元あったものに忠実に仕上げていく。そこが職人さんの職人たるところなんだろうな、と思いました。

 修復するわけではありませんが、ファシリテーターもそこから学ぶことがあるように思います。ファシリテーターも人の子で、「こうしたらいいのに」、とか「この人にとって良かれと思って」といった気もちが起こります。言うべきか、言わないべきか、言うとしてどんなふうに言うか、そのことばのその人への、そして他の人やグループへの影響はどうか、など頭の中をぐるぐる回ります。

修復ということばがここでは適切ではないかもしれませんが、もし修復する、修正するとするならば、その人本人の思いと意志で修めていく。「自分を出さない」というより、「自分の思いや美意識、価値観などを押しつけない」。そんな職人さんになりたいです。

2014年02月20日

応援大好き

posted by JIEL STAFF at 12:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | 杉山 郁子
今は冬季オリンピック真っ最中です。
最初は日本にメダルが取れるのか?と思う状態でしたが、その後日本代表の選手たちが頑張っていくつかのメダルを獲得し、感動を与えてくれています。
私はオリンピックが大好きなので、睡眠不足になりながらTVの前で応援を繰り返しています。

4年に一度のワンチャンスに賭ける選手たちの思いはどのようなものなのでしょう。
私など特別な運動能力を持っていない、というか自分の運動能力を最大限活かす努力をしたこともない人間には想像もつきません。
選手たちは、自分の生活のほとんどをワンチャンスに向けて過ごしているのは言うまでもなく、注目されれば常に日本の期待を背負って試合に臨み、またその結果をいろいろ言われてしまっています。
時には「ほっといてくれ!!」と叫びたいような時もあるでしょう。
その一方で、みんなの期待があるから頑張れるということもあるのかもしれません。
様々な思いを受けとめた上で、選手たちは日本の期待を背負って、持てる力を精一杯使って表現してくれます。

競技をすることは、選手自身にとっても自己実現なのだと思います。
誰かのためにやっているいるわけじゃないと言う選手も多いと思います。
でもそういった選手の全てが結果を出した後に「皆さんに感謝しています」と言います。
自分自身が最大限頑張った後のこの嘘とは思えないこの言葉を、私は大切に受け止めたいと思います。
何一つ努力をしないで、ほんのちょっとの睡眠不足で、私がこんなに心を動かすことができることを感謝します。

私は応援することが好きです。
大好きな応援が相手の負担にならないことを祈りつつ、今日もオリンピックの観戦をします。
TVの前でムキになって「走れ!飛べ!頑張れ!」と心で叫びながら…

2014年02月15日

自分のからだは自分で守る

posted by JIEL STAFF at 01:51 | Comment(0) | TrackBack(0) | 岡田 衣津子

意を決して、今年の夏に手術を受けることにした。ここ1年以上も子宮筋腫をほったらかししていたので、おなかがせり出し、見た目にもわかるほどの大きさになったからだ。

病院に勤めていたくせに病院は苦手だ。病院というより医師が苦手だ。案の定、「ここまで大きくなってる人を久しぶりに見たよ」と大笑いする医師、かなり配慮にかけたことばをさらっと言う医師に出会った。全員がそうだとは言わないが、医師こそ人間関係トレーニングを受けた方がいいのではないかと思ったりする。こんな不愉快な思いをするくらいなら通院せず、このまま放置したくなるのだが、腰は痛くなるし、ちょっと小走りしただけで息が切れるし、体への負担が大きい。

子宮筋腫は女性にとってちょっと恥ずかしい病気のように感じる。インターネットや本などで調べると、原因は不明とはいいつつも、不摂生とか食べ過ぎの影響が大きいらしいと書いてある。確かにそうなのだ。食べすぎ、不摂生、思い当たるふしがありすぎる。ウイルス感染とか遺伝とかでもなく、自分が自分で作り出したものなのだ。とはいえでも不摂生したくしてしていたわけではなく、そうせざるを得なかったのである。自分の体や自分の生活は多少犠牲にしても、やらねばならないことを一生懸命こなしてきたのだ。そんな背景を知らずとなぜ医師は私を笑う?なぜ心無い言葉をはかれなければならないのか?

こういう怒りやネガティブな思いをためこんでためこんで表出しないことも筋腫を大きくしてしまう要因かもしれないなと思う。自分のからだは自分で守らなければならない。誰も守ってくれないのだから。早めに就寝すること、バランスのとれた食事、無理のない仕事量、嫌なことはできるだけ避ける、ネガティブな思いもアサーティブに表現する…身を守る方法を考えてたらいろいろ自分に課す事柄が多くなってしまった。ま、結局のところ、あんまり考え過ぎず、楽しく生活することがいちばんからだにはいいのかもしれない。