2014年10月19日

感謝

posted by JIEL STAFF at 20:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | 杉山 郁子
今、私は静岡からの帰りの新幹線の中にいる。

8月から続いていたファシリテーション研修の帰りだ。
この研修は、静岡県看護協会が主催で、静岡県内の看護師長さんや副師長さんを参加者として行われた。
初回は8月の始めに2泊3日の合宿で、「体験学習の学び方」や「コンテントとプロセス」「リダーシップ」などについて学び、またグループで学んでいく仲間づくりをするところから始まった。
看護師さんは基本的に真面目な人が多く、研修をすると実によく学んでくれる。
また、元気もよくパワフルによく動いてくれることが多い。
今回も始めからその様な雰囲気はあり、研修を進める私も大変気持ち良くいることができた。
合宿の終了時には、次に会うのが楽しみだと思うまでに関係が深まっていた。

次は9月の始めに1日だけの日程で、ファシリテーションとは何かを学んだ。
実際に役割を決めて、ファシリテーターを体験してもらう機会ももった。
合宿ではかなり親しくなり共に学んだ実感があっても、現場に帰って忙しいとひょっとして欠席の人も出るのではと心配していたが、誰一人休むことなく参加してくれた。
グループでは仲間同士の再会を喜び合い、この日も熱心に学びを進めてもらうことができた。
私の実感として、余計なことは言わなくても最低限のことを伝えれば、このメンバーは自ら学びを進めトライをしていってくれると感じていた。
この日は1日だけであったが、「最後は打ち上げをしようね」と約束して別れた。

そして最終回の昨日今日を迎えた。
今回は2日続きではあるが合宿ではなく、通いの形式をとった。しかし、静岡は東西に長く宿泊を余儀なくされるメンバーもいた。
その様な状態でも、また誰一人欠けることなく参加された。
朝9:00のスタートには全員がきっちり先に着き、誰もが旧友に会ったような喜びの表情で語り合っている姿を見るのは、本当に気持ちの良いものだった。
今回の研修では、全員がファシリテーター体験をするプログラムになっており、皆慣れない体験に緊張しながらも、それぞれがチャレンジをして、回を追うごとに気づきや学びを深めていった。
私自身はほとんど何も言うことはなく、むしろ私自身が学ばせてもらっており、この研修に共にいられる喜びを感じるものだった。

2日間、本当にびっしりの予定を熱心に過ごし、約束の打ち上げ会に途中まで参加させていただき、今帰路についているのである。
今回のブログは、関係ない方にとっては「なんだこれ!!」というものかもしれないが(いつもだとは言わないでください)、私にとって印象深い、また参加者の方や静岡県看護協会の方に本当に感謝の気持ちで一杯なので皆さんを称えたくて、また記録に残したくてこのようなブログを書くことにした。
どうぞお許しください。

参加してくださった29名の皆様、どうぞそれぞれの現場であなたらしくご活躍ください。
応援しています。

2014年10月13日

万年筆はいいね

posted by JIEL STAFF at 20:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | 岡田 衣津子
小学生のころか、中学校入学のときか、いつだったか定かではないが、父から万年筆
をもらった。父はモンブランの万年筆を愛用していて、父のデスクにはダークブルー
のインク瓶がおいてあったのを覚えている。なんかとってもかっこいいなと思ってい
た。しかし万年筆など子どもの頃の私にはまったく必要ないもので、いくら高価なも
のだと言われても、あまりうれしくなかった。高価だからこそ使うのが怖いなと思っ
ていた。そういうわけでずっとどこかにしまいこんでいた。

ずーっと忘れていたのに、近頃、その万年筆が見つかった。[MONTBLANC noblesse]
と書いてあった。「高貴な」という名前がついたその万年筆は細身で重量感がある。
添えてあったインクカートリッジのインクが未使用なのに半分以上も減っていた。そ
れは私がもらったまま放置していた年月の長さを物語っていた。久しぶりに父親に出
会ったような感慨があった。インターネットで検索しても、もうこのタイプの万年筆
は製造していないようで、インクをどう入れたらいいのか、古いインクカートリッジ
を使っていいのか心配だったので、万年筆の専門店に行った。店主と思われる品のあ
る年配の男性に状態をみてもらった。「これは高価な万年筆ですよ。大切に使ってく
ださい。お手入れすれば長く持ちますよ」と言ってくださった。その優しい言葉に、
父との思い出も大切にしてもらったようで、私はとても満ち足りた気持ちになった。

今から思えばなんで父は子供私にこの万年筆を贈ったのか不思議でならない。道具は
人を選ぶということか、30年以上も経ってようやく使わせてもらえるようになった。
力を入れなくてもすべるような書き心地がとてもいい。お父さん、今度こそ大切にし
ます…万年筆はいいですね。

2014年10月01日

愛燦々と

posted by JIEL STAFF at 13:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | 林 芳孝
 「雨 潸々(さんさん)と この身に落ちて」と美空ひばりが歌ったのは、「愛燦々」。「愛燦々」は、小椋佳が作詞作曲をしました。その小椋佳が生前葬コンサートをした、というニュースを観ました。

 小椋佳。1944年生まれなので70歳。70歳といえば古希。古希は、人生七十古来稀なり、と詠った杜甫の詩に由来しています。小椋佳も古希を迎え、生前葬コンサートを行うことにしたのでしょう。

 「雨 潸々(さんさん)と この身に落ちて」のフレーズは、「わずかばかりの運の悪さを 恨んだりして」と続きます。

 NHKの朝ドラ「花子とアン」は、ここ10年の朝ドラで1番の視聴率をとったそうです。私も観られるときにはできる限り観ました。なにがおもしろいのだろうと思うと、主役の村岡花子のまっすぐな生き方も素敵ですが、脇役とよんでいいのかまわりに登場する人物が、その人間模様がおもしろい。ドラマを引き立てていると思います。憲兵だったあにやんが敗戦を迎えたときの苦悩、北海道で貧しい生活を強いられ、おねえやんをいつも羨ましく思っていた妹の心、意志に反し石炭王に嫁ぎ、その後駆け落ちをした腹心の友の決心、…。駆け落ちされた時の石炭王の人間臭さも、少々鼻につく作家の女史の高慢ちきな振る舞いも、それぞれの人がその時代をその人なりに一所懸命生きていたのだな、と思え、それが主役を引き立たせる。

 「神は天にあり 世はすべてこともなし」。「赤毛のアン」の第38章に出てきます。原文は”God’s in His heaven, All’s right with the world”です。「神は天にいます。世の中のすべてのことは正しい」とでもなりますか。この世で起こっていることなんて、すべて神の差配よ、などといってしまうとお叱りを受けるかもしれません。

 わずかばかりの運の悪さは、たぶん欲得から湧き出てくる人間の情感であって、神からすればすべてのことは正しい。ある時に、あるべくして、ある。すべてこともなし。でも、だから人間はおもしろくなる。

 「それでも過去達は 優しく睫毛に憩う」と、「愛燦々」は続きます。「人生って 嬉しいものですね」と思えるようになるのは、古希になるくらいの歳かもしれません。だから、おもしろい。