2011年06月30日

卒業検定でのひとコマ

posted by JIEL STAFF at 22:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | 山岸 裕
ふいに思い立って、大型二輪の免許を取るために30年ぶりに自動車学校に通い始めた。
実は、今日は卒業検定の日でした。

一緒に検定を受ける人たちは7名ほど。僕の順番は3番目。遅くもなく早くもない、まずまずの順番。
みんな、1番の人が呼ばれるまで、黙って準備をして待っている。何も言わないけども、みんな一様に緊張しているのがお互い感じられた。
いよいよ1番の人が呼ばれ、検定が始まった。ドキドキはさらに高まる。
コースを間違えないだろうか。一本橋で脱輪しないだろうか。クランクや8字でコーンを倒してしまわないだろうか。急制動で止まれなかったどうしよう。考え出すと不安なシーンが次々浮かぶ。
じっと待っていると緊張感が余計に高まりそうだったので、少しみんなと離れて、ストレッチをしてみた。ストレッチしてみると、緊張でうまく手や足に力が入らない。自分が緊張していることを改めて実感。

そうこうしている間に、僕の1つ前の2番目の人が走り出した。小柄な女性だけど、僕と一緒の大型二輪を受験する。やはり同じ大型とあって自然と見入ってしまったが、まるで自分が運転しているような気になっていた。最初の出だしで、エンジンがかからないというトラブルがあったけど、その後は順調に進んでいるように思えた。あともう少し。残るは最後の課題である波状路。最初はいい調子で波状路を進んでいったけど、ゴール手前でコースから外に出てしまった。その瞬間、試験官の先生からマイクで中止して最初の出発点に戻るように指示されてしまった。え〜、ほんとうにあともう少しだったのに。すっかり彼女になりきってしまっていた僕は、自分のことのようにショックを受けた。しかし、彼女に
同情している暇はなかった。次は自分の番だ。ショックから早く平常心に戻らないと。
この中止には、僕だけでなく、他の生徒もショックを受けているようだった。ほぼ初めて会った知らない人同士なのに、ただ一緒に検定を受けているだけでなんだか一体感をこの時に感じた。同じ課題を背負った境遇にあるとき、人は自分と他者を重ね、素直に相手の立場になり、みんな受かってほしいという気持ちになっていたのではないだろうか。即席の同じ目標を持ったグループが現れた気がした。

そして僕の名前が呼ばれ、平常心、平常心と心の中で唱えながら、バイクに向かって歩いていく。
正直、検定がはじまってから終わるまでのことはよく覚えていないけど、とにかく大きなミスもなく、みんなの待つテントに戻った。みんなはすごく落ち着いてたよと声をかけてくれた。うれしかった。僕が無事に走りきって戻ったことでみんなも少し安心し緊張感が緩んだようで、この時あたりから自然と受験生の間で会話が起こり始めた。すでに検定を終えた人、まだ検定も待つ人も一緒になって。
年代も、性別も、職業も、おそらく価値観も違う受験生たちだったけど、ただ1点、検定を受けるという点だけが共通したいただけで、こんなにもオープンな気持ちで話せるんだなと素朴に不思議に思った体験だった。

ちなみに検定の結果は、無事合格。やれやれ。でも、実は本当の戦いはこれからだったりする。嫁さんとの熾烈な戦いを今度はただ独りで乗り切らないといけない・・・・。
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